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L'osmothèque de Versailles

八月末から九月初めにかけて一週間ほどフランスでヴァカンスしてきました。

今回の旅は今までとちょっと違ったものにしたいと思い、かねてから気になっていた
ある場所に行ってみました。

一つ目はヴェルサイユにある l'osmothèque

オスモテーク、聞き慣れない言葉ですね。
ギリシア語の「におい、嗅覚」osm(o)と「ライブラリー、保管場所」thekeが
組み合わさった言葉で、文字通り香りを保存する香水図書館といった場所です。

まず、この場所を知ったいきさつから。普段からフレグランスを多用しているわけでは
ないのですが、parfum 芳香, odeur におい、香りには人一倍敏感だと自負して
いました。映画『パフューム ある人殺しの物語』にも大変心惹きつけられ、舞台の一つ
になっている南仏 Grasse はいつか是非訪れたいと思っていました。

TV5MONDEのライフスタイル番組でもしばしば香水が取り上げられますが、Mains
et Merveilles(匠の技)という一流職人を紹介する番組で女性調香師が登場する
回がありました(Partrait de Mathilde Laurent - Parfumeur chez Cartier
調香師は女性でも parfumeuseではなくparfumeurと男性形を使うようです)

カルティエ社の専属調香師マティルド・ロランが自身のプロフィールを語っている中で
ヴェルサイユの"イズィプ(ブ)カ"なる学校で香水の勉強をしたとあったのです。これ
は何らかの略称であろうと思い、適当なキーワードとアルファベットで検索したところ
ISIPCA (Institut supérieur international du parfum, de la cosmétique
et de l'aromatique alimentaire) がヒットしました。そして、同じ場所に香水保存館
があることもわかりました。

それは世界中の観光客で一年中賑わっているヴェルサイユ宮殿からは少し離れた
閑静な住宅街にあり、講習会参加者は13人前後だったでしょうか、ほぼ全員が
フランス人でした。香水の歴史、香水の基本原料といったイニシエーション的レクチャーを
受け、メインイベントであるテスティングをします。年代順に一番古いものでは2000年前
のエジプトの香水を再現したものから現代まで、20種類ほどの香りをsentirしました。
それぞれの mouillette (ムエット、香水テスター紙)は小袋に入れて持ち帰ることができ
ます。

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テストした香水の、名前と主要ノート:

Parfum royal 古代エジプトの香り cannelleシナモン, girofleクローブ, miel蜂蜜
vinagire ビネガー romarin et ail ローズマリーとニンニク
Eau de la Reine de Hongrie ハンガリアンウォーター(14世紀) ローズマリー
Le Chypre シープル Coty 「キプロス島」という意味。 Bergamote, Mousse de
chêne オークモス etc.
Rose bulgare ブルガリアンローズ
Jasmin de Grasse グラース産ジャスミン
Ambre doux ソフトアンバー ambreとはヴァニラ、ムスク、安息香酸などのノート
Eau de Cologne J.M. Farina ヨハン・マリーナ・ファリナのオーデコロン(18世紀)
Fougère royale フゼア・ロワイヤル par Houbigan (1882) フランス語の発音は
             フージェールでシダ類。ラベンダーとこけの香りをベースにした香料を
             指す。
La rose Jacqueminot ローズ・ジャックミノー Coty (1904) 伝説的香水
Crêpe de Chine 「中国の縮緬」という意味(1920年代)
Cuir de Russie 「ロシアの皮」 Chanel (1925) créé pa E. Beaux
Vent Vert Balmain (1945) 「緑の風」という名の爽やかな香り グリーン系、蜂蜜
Iris Gris 「灰色のアイリス」 J.Fath (1947)
Vetiver Carven (1957) カルヴェンのヴェティヴェール
Fruit defendu 「禁断の果実」

これらのブランドの多くは廃番になって市場には出回っていないもので、
osmothèqueでformuleが保存、再現されているという貴重なものです。

最初のほうで嗅がせてもらった、缶に入った動物の毛皮らしきものの匂いは
「気をつけて下さい。ちらっと嗅ぐだけですよ。SAMU(救急車)を呼ばなければ
ならなくなりますからね」という講師の警告付き。なるほど、得も言われぬ悪臭
で、専門用語ではスメリングというらしいですが、こればかりは「嗅ぐ」がぴったり
の臭いでした。そのほかにもフレグランスと言うより香辛料入り酢そのもののような
香りもあり、次々とスメルしているうちにだんだん臭覚が飽和状態になり麻痺して
きて、これを仕事にするのはなかなか大変かも知れない、趣味程度で十分だわ
と思ってしまいました。

ヴェルサイユ観光のついでに、奥深い香りの世界の入り口に立つ経験は
いかがでしょう。

こんなにも面白いところに行くきっかけを作ってくれたTV5MONDEにあらためて
感謝です。


OSMOTHÈQUE - CONSERVATOIRE INTERNATIONAL DES PARFUMS
36 rue du Parc-de-Clagny, Versailles 78100
Tel +33 (0) 1 39 55 46 99
http://www.osmotheque.fr/osmotheque



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by tv5monde | 2011-09-17 15:24 | スタッフよもやまばなし
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